Illustrator(通称イラレ)がなくてもベクター形式のイラストが描ける、無料アプリ「Vectornator」。
Vectornatorの特徴についての記事に続き、今回は実際にアプリを使ってロゴアイコンを描いてみます。イラレでできることはVectornatorにもできるはず…!という謎の確信を持って、イラレ講座の動画を見ながらVectornatorで同じ操作ができるか挑戦しました。

案の定、出来ない操作もありました…
- Vectornatorを使ってみたいけど使い方がわからない
- とりあえず何か描いてみたい
- 放射線(集中線)の描き方がわからなくて途方に暮れている
さすがに無料アプリなので、イラレほど機能が充実していないVectornator。しかしやろうと思えば再現は可能です!
今回は「放射線(集中線)」をVectornatorで描く方法を解説します。ぜひ一緒にやってみてくださいね!
Vectornatorに「放射線」を描く機能がない
amity先生のIllustrator動画の中で、唯一Vectornatorで再現がむずかしかったのが「放射線」を描くこと。
具体的には、この太陽アイコンの周りの線。

どうやらイラレにはボタン一発で集中線がかける機能があるようです。しかし2022年2月現在、Vectornatorにはそのような機能がありません。
そこで、私なりに代替案を考えました。
- 短い線を円状に回転・複製する
- 円を破線にする
それぞれの方法で太陽アイコンを描くと、こんな仕上がり。


見た目も描き方も全く違います。好みによって使い分けてもいいかも。
どのように描いたか、順を追って解説します。
アイコンを描く際はグリッド表示をオンにしておきましょう。
バランスの良いアイコンが描けます。
★[グリッドを表示]する
設定(歯車)アイコン > アートボードとグリッド


1、円状に回転・複製して放射線を描く
簡単に言うと、マル(○)の周りに棒を複製・均等に配置する描き方です。
グリッドに沿って正円(塗りつぶし:あり、線:なし)と短い直線(塗りつぶし:なし、線:あり)を描きます。

- 円と直線の中心が同じグリッド線上になるように描く

回転ツールの中心点がグリッドの交差点にくるようにすると調節しやすいです!
回転をオン > 中心点にしたい場所をタップ > 複製をオン

画面の適当な場所を押しながら回転させていくと、45°ずつ規則正しく回転してくれます。

複製されながらどんどん増えて…

できました!
後は[アウトライン]と[結合]処理をします。
基本的には前回のVectornatorでクラウド(雲)アイコンを描く手順と一緒です。
[アウトライン]…図形の外側をパス化する
[結合]…バラバラの図形をひとまとめにする

ちょっと何言ってるかわかんない…
そんな方はVectornator基礎知識の記事も併せてどうぞ!
全てのパスを選択 > [パス]メニュー >[アウトライン]> [結合]

グラデーションをつけて、完成。

シンプルでかんたんですが、描いた後の調節が難しいのがネック。
2、円を破線にして放射線に見えるようにする
簡単にいうと、放射線を描くのではなく円を描いて点線で表示させる技。
先ほどと同じように、中心に正円(塗りつぶし:あり、線:なし)を描き、その外側に一回り大きな正円(塗りつぶし:なし、線:あり)を描きます。

二重の円が出来ました。
- 中の円は塗りつぶし、外の円は線
- 外円の線の太さ = 放射線の長さになる

長い放射線を描く時は、線を太くしておくのね…
今からこの外側の円を点線にします!
外側の大きな円を選択したまま、右上[スタイル]メニューの[線]項目を展開

下の方に、「破線」と「間隔」というボリュームダイヤルみたいなものが4つ。
1番目と3番目に数値を入れます。今回は38・50と入れました。すると…


あ!円に切れ目が…!
(※破線と間隔についての補足は次の項で。)
あとは一緒です。
全てのパスを選択 > パスメニュー[結合]> [アウトライン]
グラデーションをつけて、完成。
色々と手順の多い方法ですが、一度覚えてしまえば早いかも?
ちなみにアウトライン化した後で、[ノード]を調節して角を丸めることもできます。

補足:破線と間隔
破線とは、いわゆる点線のこと。間隔は点と点の間の幅を指します。
直線を例にすると…

ちなみに、先端形状を丸くすると…

円の大きさや線の太さによっても仕上がりが異なります。
破線の数値を変えて、自分好みに仕上げましょう。
べクターイラストは正解なし!いろんな描き方を楽しもう
IllustratorもVectornatorも、描くときの考え方が重要です。
描きたい図形を要領よく描くためには、時には想定された用途とは違う使い方をすることも必要なんですね…点線を集中線にするなんて考えもしませんでした。
絶対にこうやって描かないといけない!と言う絶対的答えはありません。あなたの好きな描き方で、いろんな形の描写にチャレンジしてみましょう!