別のアプリやアナログで描いた線画をベクターイラストとしてパス化できる、Vectornatorの超便利な機能「自動トレース」。
そして2022年、新たに色塗りをしたイラストをトレースできる機能が備わったとのこと!
その名も「イラストレーション」モード。

2022年8月現在選べる自動トレースモードは、
[写真][スケッチ][イラストレーション]
の3種類。
前回の記事では[スケッチ]モードで線画の単色トレースをしました。
線画の精度はかなり高かったですが、[イラストレーション]モードは色やイラストタッチな線も表現しながらトレースされるとのこと。
果たして精度はどのくらいなのでしょうか…
色々実験してみます!
デジタルイラストをトレースしてみる
まずは他のイラストアプリで描いたカラーの絵をトレースしてみたいと思います。
前回の線画トレースの際に使用した、無料ペイントアプリ「アイビスペイント」で今回も適当に絵を描きました。

なんとなくトレースしやすいように、主線は描かず色だけ塗ってみました。
早速このイラストをVectornatorに取り込みましょう。
手順は線画トレースの時と一緒です。
[新規作成]>[インポート]をタップ
次に、取り込まれた画像を選択します。

右上のスタイルメニューをタップするとトレースメニューが表示されます。
自動トレースのモードは[イラストレーション]を選択
他の数値は自動的に設定されているのでそのままでOK。
青い[自動トレース]ボタンをタップすると…

こんな感じにトレースできました。
何度やっても片足だけトレースされないのが謎ですが…

色も形も、元の絵とほとんど同じようにトレースできました!

やはり読み通り、単純な線や色だとトレースしやすいらしい…
アナログイラストをトレースしてみる
次はアルコールマーカーで塗ったイラストをトレースしてみます。
きりんの一押し画材・ジェネリックコピックことOhuhuで絵を描いてみました。
アナログイラストをVectornatorに取り込む際はiPadのカメラ機能を使うと便利。
先にiPad側で写真の撮り方やトリミング・簡単な加工方法を解説します。
下準備:撮影と画像加工の手順
まずは絵をiPadで撮影します。
できる限り影が写り込まないように、全体的に明るめに撮りましょう。

今回の絵は、子どもの虫図鑑を模写しました。
iPadの写真アプリで必要な部分のみトリミングします。


次に、アイビスペイントで用紙の黄ばみや影になっているところ(余白部分)を消していきます。

画像をPNG形式で保存します。
これで加工は完了!
Vectornatorに取り込み
先ほどと同じ要領でVectornatorに取り込みましょう。

さて、アナログで描いた絵もトレースできるかな…?
どん!

おー!おー…?
なるほど、色情報はけっこう頑張っている感じですが、境界が曖昧です。

カメラで撮影したカラーイラストは、鮮明さや光の加減なども大きく影響してしまうようですね。
若干手直しすればいい感じになります。


※制御点(ノード)をイジって手直しした様子は、後日別の記事にまとめます。
残念ながら完璧なトレースにはなりませんでした…
ですがこれはこれでタッチに味があって良いですね。

何より色情報やパーツが自動で作成されるのは嬉しい!

カラー写真を自動トレースしてみた
「絵すら描きたくない!もう実物写真をイラスト化して!」
そんなことができたら夢のようですよね!
というわけで実験してみました。

きれいな多面体のスーパーボールです。
取り込む時に便利なので白い背景で撮影しましょう。

だからって原稿用紙(読書感想文用)の裏紙はやめとけ…
これを[イラストレーション]モードでトレースしたらどうなるでしょう…

じゃん!


うまくいかなかった…!
キラキラしているはずの中心部がつぶれてしまいました。
境界が多かったり、色が細かすぎるものはさすがにトレースできないようです。
ついでに[写真]モードでもトレースしてみた
きれいなイラストに仕上がりそうなスーパーボールとはいえ、元は写真。
[イラストレーション]モードではうまくいかないのかもしれません。
というわけで、[写真]モードでもトレースしてみました。

光の加減は悪くないですね!
さすが写真モード、細かいタッチでパス化されています。
先程のイラストレーションモードに比べると少しきれいに見えますが、境界が滲んでいるような質感。
イラストのように単純化してしまうと、結局細かい部分が表現できなさそうですね。

楽せず自力で描けってことか…
結論:デジタルカラー絵のパス化に便利
Vectornatorの[イラストレーション]モードでいろんなタイプのイラスト(写真)を自動トレースしてみました。
結論は以下の通り。
アナログで塗ったイラストよりも
デジタルのカラーイラストの方がトレース精度が高い!
まずは自分の描きやすいアプリで着色して、それからトレースするのが近道かもしれません。
トレースする元の絵も、トレースしやすい塗り方をしておくと良いでしょう。
- なるべく濃い色で
- 似た色を使わず、境界をはっきり描く
色はトレースした後も変更できるのでご安心を。
まずは単純な色でしっかりパーツを描いていくと、トレースの仕上がりが良くなります。

これなら曲線ツールが苦手な人もベクターイラスト作れそう!
皆さんも[イラストレーション]モードでトレースしてみてくださいね!
